「…げ、こんなの書かないといけないの?」

リョーマは一枚の紙切れを見ると、溜息をついた。
それは学校から配布された課題の一つで、学習の経過や日々の予定を書き込むものであった。

「勉強は適当に記入すればいいか…」

シャープペンシルを手に取り、勉強時間などを適当に埋めていく。
が、リョーマは途中でピタリと手を止めた。

「…夏休みの予定、か…」

テニスの強豪とも呼ばれ、順当に大会を勝ち抜いている青学テニス部は、ほぼ毎日練習がある。
が、そんな中でも勿論数少ない休みは存在した。
そしてリョーマはその貴重な日を、大切な人と過ごす事にしていた。

「…やっぱり、予定に入れるべきだよね」

リョーマは少しだけ顔を緩ませ、サラサラと予定を書き込んだ。
その予定とは…

・ 勉強会  ・ 夏祭り  ・ 映画鑑賞  ・ 花火大会  ・ 水族館  ・ 海